自立と共生

タイ国農民との相互交流が意味するもの

タイの農業学校建設を応援

角田市[アジアの農民と手をつなぐ会] 1990年の炉ばたまつりをきっかけに、角田の農協青年部はアジアの農民と交流を 重ねてきました。
なかでもタイ・イサーン地方の農民と相互理解を深め、村おこしの支援活動や技術交 流にまで発展。閉ざされた農村社会の窓が開き、 国を越えたこころとこころの交流が新しい活力としてふくらみつつあります。

「アジアモンスーン稲作農民炉ばたまつり」を通じて、タイ東北部イサーン地方の農 業、農村、農民のおかれている状況を知りました。かつては豊かな森林が広がり、自 然の恩恵を受けながら自給生活をしていたイサーンは、現在タイで一番貧しい地域と いわれています。中学進学率は7%、農家の年収は2~3万円、農民は自分たちの口 にする米さえないという状況です。タイでは1960年代から国の近代化のために農 業においても商業主義施策がとられ、政府は規模の拡大と換金作物の効率的な生産を 奨励しました。そのため森林伐採と農薬などの使用が進み、結果として農地は荒れ自 然生態系も壊れていきました。雨水だけが頼りのタイの稲作は、森がなくなって雨が 少なくなり、農民は自家用米さえ買わなければならない状況に追い込まれたのです。 国のいう近代化農業が残したものは、森林破壊と荒れた土地、農薬や肥料を買うため にかさんだ借金と、現金収入を得るための出稼ぎでした。こうしたなかから始まった 運動が農業学校の建設です。生産に役立つ多様な技術を育て、情報提供や教育活動の できる拠点として「共育農場」が農民の手で開設されようとしていました。しかし資 金不足から計画は難航。そこで私たちにも何かできないかと現地を訪ね、話し合いの 結果、日本で募金キャンペーンをくり広げることにしました。自らの手で豊かな大地 をとりもどそうと、農村開発に取り組む姿に共感したからです。こうして私たちはタ イ・イサーンの農民に農業学校を贈るキャンペーンを半年間にわたって展開、全国か ら800万円を超える善意が寄せられました。募金はウェンノイ共育農場のセミナーハ ウスや水路、灌漑用池などの形となって、ラハンナー村の村おこしに役立つことにな りました。ともにアジアに生きる農民として農業の未来を語り、夢を共有することで、 自分たちにも新しい力が湧いてくることを私たちは実感したのでした。