自立と共生

ミシンの話

もうひとつの友情ものがたり

角田市[アジアの農民と手をつなぐ会]は、 1993年、角田市農協青年部からアジアとの交流を広く地域に開くために移行、 自主運営組織として結成されました。
メンバーは年々増加し、角田には国際交流、協力の意識が広がっています。 ミシンの話も、手をつなぐ会の活動から波及した、友情物語りのひとつです。

タイ・イサーン地方では、伝統的な農法を見直そうと貯水池を掘り、気候・風土にあっ た野菜・果樹・薬草などを栽培。女性たちは綿花を栽培し、草木染めにした木綿で織 物を作って共同販売しています。また青少年には森林を育て守る活動が組織されてい るなど、自然と共生する意識が息づいています。1990年から始まったイサーン地 方との交流で、私たちが得た有形無形の財産は、角田の人たちの胸にずしりと響くも のがあります。この間私たちはイサーンの農村に農業技術を実践指導するセンターを 5カ所完成させ、家畜舎や薬草加工施設の建設、米や野菜を作るための堆肥づくり指 導、農村女性の収入安定のためのミシン導入など、イサーンの農村が自立するために 自ら立てたビジョンを実現する手伝いをしてきました。また地域・文化を知るには人 の相互交流が大切と、会のメンバーが現地を毎年訪れ、農家に泊まりながら地域の暮 らしを体験。さらにイサーンで活躍するボランティアのスタッフを角田に招いて、日 本の農業を研修する機会を提供しています。こうした活動が評価されて、1995年 からは郵政省国際ボランティア貯金の寄付金配分団体に認定され、その助成金が活動 資金になってきました。活動状況はパネル展などで、市民に紹介。会で贈った足踏み ミシンのおかげで、タイの若い女性たちが出稼ぎに行かなくても収入が得られるよう になったパネルを見て、市内の女子高生たちのあいだでもタイ女性応援の話が広がり ました。角田女子高と伊具高生徒会などが、校内に眠っている足踏みミシンをイサー ンに贈ろうというもの。輸送や修理に必要な費用も自分たちで集めようと、国際交流 に意欲をもやしました。いまでは村に縫製工場ができ、その製品はバンコクなどの都 市に出荷されるまでになっています。米づくりから生まれた人の輪が、地域の輪、世 界の輪へと広がることは、私たちにとって大きな喜びです。